名前 [別名] |
性状 | 用途 | 毒性 |
アクリルニトリル [シアン化ビニル、プロペンニトリル] |
無色透明の蒸発しやすい液体。無臭または桃の種に似たかすかなにおいがある。
水には常温で7.3%溶け、有機溶媒には、任意の割合で混合する。引火点は−1℃で火災、爆発の危険性が強い。 |
T合成ゴムの原料、合成樹脂の原料 |
粘膜刺激作用が強く、気道、目、消化器を刺激して、流涙その他の粘膜よりの分泌を促進させる。
粘膜からの吸収はきわめて容易で、意識喪失し、呼吸困難で死亡する。これは、アクリルニトリルが吸収後、体内で分解し、
青酸を生成するためといわれる。
タンク又はドラムの貯蔵所は裸火、ガスバーナーその他炎や火花を生ずるような
器具から離しておく。硫酸や硝酸など強酸と激しく反応するので強酸とも安全な距離を保つ必要がある。 |
アクロレイン [アクリルアルデヒド、プロペナール] |
無色または帯黄色液体。不快臭。引火性。熱又は炎にさらしたときには、分解して毒性の高い煙を
発生するから危険である。本品の火災のときの消化法は、炭酸ガスを用いる。 |
各種薬品の合成原料、医薬品および食品以外の殺菌剤 |
目と呼吸器系を激しく刺激し、その催涙性を利用して化学戦用催涙ガスとしても使用されていた。
また、皮膚を刺激し、気管支カタルや粘膜炎をおこす。
火気厳禁。非常に反応性に富む物質なので、安定剤を加え、空気を遮断して貯蔵する |
アニリン [アミノベンゼン、フェニルアミン] |
無色透明油状液体。アミン臭をもつ、空気および日光により赤褐色を呈する。
水に溶けにくいが、アルコール、エーテル、ベンゼンによく溶ける。 |
タール中間物の製造原料、医薬品 |
接触、吸入により速やかに吸収される。有毒量を吸収した際最初に現れる症状はチアノーゼで
軽い快感や安泰感が起こり、次いで頭痛、眠気、時には悪心、嘔吐を訴えるようになり、
さらに進めば昏睡、意識不明に陥る。 |
アンモニア |
常温では特異刺激臭のある気体、圧縮すれば液化する。空気中では燃焼しないが、酸素中では黄色の炎をあげて燃焼し、
主として窒素及び水を生じ、もた同時に少量の硝酸アンモニウム、二酸化窒素などを生成。水、エタノール、エーテルに可溶。 |
化学工業の原料、アンモニア水の製造、液体アンモニアは冷凍用寒剤 |
アンモニアガスの吸入により、全ての露出粘膜の刺激症状を発し、せき、結膜炎、口腔、咽喉粘膜の発赤、
高濃度では口唇、粘膜の腫脹、一時的失明をきたす。また、不眠、胸部不快感、チアノーゼなどがみられ、
肺浮腫をきたし致命傷となる。 |
2-イソプロピル-4-メチルピリミジル6-ジエチルチオホスフェイト
[ダイアジノン] |
無色微に特異な臭気を有する液体。強アルカリおよび酸によって加水分解される。
水に難溶で、エーテル、アルコール、ベンゼン、シクロヘキサン、石油エーテルに溶ける。
工業製品は純度90%で、淡褐色透明でやや粘調でかすかなエステル臭がある。 |
接触性殺虫剤(ニカメイチュウ、サンカメイチュウ、クロカネムシの駆除) |
中毒症状は副交感神経刺戟症状であるが、中枢神経刺戟症状は軽い。
有機燐製剤であるから、血液中のコリンエステラーゼを阻害し、神経の正常な機能を妨げる。
解毒・治療法として、アトピリン療法・PAM(2‐ピリジルアルドキシムメチオダイド)療法などがある。 |
エチル-N-(ジエチルジチオホスホリールアセチル)-N-メチルカルバメート
[メカルバム] |
濃褐色、やや粘稠な特異臭のおる液体。水に溶けにくい。脂肪族炭化水素以外の有機溶媒に溶ける。
強アルカリで分解しやすい。 |
ツマグロヨコバイ、ダニ類、アブラムシ類等の駆除 |
有機燐製剤。中毒症状は呼吸促進を呈し、後股を前方に出し震顫蹲居する。時間経過とともに流涎下痢、
眼球突出し、血液を混入した涙液と鼻汁を排出する。致死直前は跳躍する。現在、農薬としての市販品はない。 |
エチレンクロルヒドリン
[2‐クロルエチルアルコール、グリコールクロルヒドリン] |
無色油状液体で、エーテル臭がある。熱分解で腐食系毒ガスホスゲンを生ずる。
トランス型およびゴーシュ型の回転異性体があり、ゴーシュ型の方が安定である。気体および液体で両型混在し、
固体ではゴーシュ型ばかりとなる。 |
エチレングリコール原料、馬鈴しょなどの休眠芽の発芽促進 |
皮膚から容易に吸収され、全身中毒症状を引き起こす。中枢神経系、肝臓、腎臓、肺に顕著な障害を引き起こす。
致死量のエチレンクロルヒドリンガスを吸収すると、眠気、めまいなどを起こし、数時間で呼吸困難、失神、チアノーゼ、
左胸部痛などが生じ、最後には呼吸不全を起こして死亡する。 |
塩化水素 |
常温、常圧においては無色の刺激臭をもつ気体で、湿った空気中で激しく発煙する。
冷却すると無色の液体及び固体となる。水、メタノール、エタノール、エーテルに溶けやすい。 |
塩酸の製造、無水物は塩化ビニルの原料に用いられる |
目、呼吸器系粘膜を強く刺激する。35ppmでは短時間曝露で喉の痛み、せき、窒息感、胸部圧迫をおぼえる。
50〜100ppmになると、1時間以上の曝露には耐えられない。これを超すと喉頭痙攣や肺水腫をおこす。
100〜2,000ppmでは、きわめて危険。 |
塩化第一水銀
[甘汞、カメロル、亜クロル汞、塩化水銀(T)] |
白色粉末。400℃で昇華。光によって分解し、塩化第二水銀となる。水にほとんど溶けず、
王水に可溶、希硝酸にわずかに溶ける。エタノール、エーテルに不溶。 |
電池製造用 |
ラットにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で220mg。 |
過酸化水素水 |
無色透明の濃厚な液体で、強く冷却すると稜柱状の結晶に変化する。常温でも徐々に酸素と水に分解するが、
もし微量の不純物を混入したり、少し加熱すると、爆鳴を発して急に分解する。過酸化水素水は不安定な化合物で、
アルカリが存在するときは、
その分解作用がきわめていちじるしい。普通安定剤として種々の酸類、塩類を添加して貯蔵する。 |
工業用貴重な漂白剤
その他織物、油絵などの洗浄に使用され、また消毒及び防腐の目的で、医療用に使われる |
溶液、蒸気いずれも刺激性が強い。35%以上の溶液は皮膚に水疱をつくりやすい。
眼には腐食作用を及ぼす。蒸気は低濃度でも刺激性が強く、7ppmですでにせきがでる。
動物実験では、100ppm前後で気管支炎、肺水腫などが起こり短時間で死亡する。
少量ならばガラスビンに3分の1の空間を保って冷暗所に貯蔵する。
有機物と接触することはさけ、温度の上昇、動揺をさける。 |
過酸化ナトリウム
[過酸化ソーダ、二酸化ナトリウム] |
純粋なものは白色だが、一般には淡黄色。常温で水と激しく反応して酸素を発生しNaOHを生ずる。
冷水又は酸性溶液でH2O2を生ずる。強い酸化剤でCO2と反応してNa2CO3と
O2を、COとではNa2CO3を生ずる。有機物、硫黄などにふれて水分を吸うと、
自然に発火する。また、乾燥状態で炭素と接触すると、容易に発火する。 |
試薬、酸化剤、過酸化物の製造原料、防腐剤 |
皮膚・粘膜に対する刺激が強い。 |
過酸化尿素 |
白色結晶性粉末。空気中で尿素、酸素、水に分解する。
水に溶け、アルコール、エーテル中にて二酸化炭素と尿素に分解する。 |
毛髪の脱色、酸化剤 |
中毒症状は過酸化水素と同様に酸化作用があるとめであり、また濃厚液は局所刺激作用がある。 |
カリウム |
金属光沢をもつ銀白色の金属。常温ではロウのような硬度をもっているが、低温ではもろい。
性質はナトリウムと似ていて、さらに反応性は富む。水に入れると水素を生じ、常温では発火する。
空気中では酸化でれ、速やかに光沢を失い、ときに発火することがある。 |
試薬 |
毒よりはむしろ、水と作用して爆発的に発火する危険が大きい。
皮膚についたときは水酸化カリウムより腐食性が強い。
空気中で酸化され、水と作用して発火するから、石油中に沈めて貯える。
しかし、石油も酸素を吸収するから、長時間のうちに表面に酸化物の白い皮を生ずる。
水の混入、火気を避け貯蔵する。 |
カリウムナトリウム合金 [ナック] |
ナトリウム、カリウムと同様の性質をもつ。融点−11℃、沸点74℃。 |
原子炉の冷却用 |
カリウム、ナトリウムはそれ自体も劇物であり、合金となっても、単独のときと同様の
生理作用を有する。皮膚についたときに強い腐食作用を呈する。 |
クレゾール [メチルフェノール、オキシトルエン] |
o,m,p-の3異性体で、フェノールおよびキシレノールなどを含む。
オルト、パラ異性体は無色の結晶で、メタ異性体は無色ないし淡褐色の液体。アルコール、エーテル、クロロホルム、
希アルカリに可溶。水にわずかに溶ける。
長く保存したり、光に当てると褐色に変化する。 |
合成樹脂の原料、消毒剤、防腐剤 |
原形質毒。経口的に8g以上の摂取は死を招く。経口、経皮とも慢性中毒は
消化不良、精神錯乱をおこし、衰弱、めまい、発疹、黄疸、乏尿症などを伴う。光を遮り保存。 |
クロルエチル
[塩化エチル、クロロエタン、エチルクロリド] |
常温で気体。可燃性で、点火すれば緑色の辺縁を有する炎をあげて燃焼する。
水にわずかに溶け、アルコール、エーテルには容易に溶解する。 |
合成化学工業でアルキル化剤 |
吸入毒性がある。 |
クロルスルホン酸 [クロル硫酸] |
無色または微黄色腐食性液体で湿った空気中で発煙し、刺激臭がある。
長時間加熱還流させると、硫酸、二酸化硫黄、塩素に分解する。水と激しく反応し、硫酸と塩酸を生成する。
濃硫酸によって塩酸と発煙硫酸を生成する。 |
激しい塩素化剤、スルホン化剤、有機合成の縮合剤 |
眼、皮膚、粘膜等に対する高度の刺激と腐食性を持つ。密封して保存。 |
クロルピクリン
[トリクロルニトロメタン、ニトロクロロホルム] |
純品は無色の油状体であるが、市販品はふつう微黄色をしている。催涙性があり、強い粘膜刺激臭を有する。
水にほとんど溶けないが、アルコール、エーテルなどには溶ける。180℃以上に熱すると分解するが、引火性はない。
酸、アルカリには安定。金属腐食性が強い。 |
穀物の消毒、殺虫剤 |
クロルピクリンを吸入すると、分解しないで組織内に吸収され、各器官に障害を与える。
血液にはいってメトヘモグロビンをつくり、また中枢神経や心臓、眼結膜をおかし、肺にも相当強い障害を与える。
療法として、酸素吸入し、強心剤、興奮剤を与える。 |
クロルメチル [塩化メチル、メチルクロリド] |
無色の気体で、エーテル臭の甘味を有し、水にわずかに溶けるが、圧縮すれば無色の液体になる。
空気中で爆発のするおそれもあるから、濃厚液の取り扱いには注意する。 |
冷凍機用冷媒剤 |
クロルエチル、ブロムエチル、ブロムメチル等と同じような作用を有する。
中枢神経麻痺の作用がある。中毒の応急処置方法としては、新鮮な空気中にひきだし、
興奮剤、強心剤を服用させるとよい。 |
クロロホルム [トリクロロメタン] |
無色透明で屈折率の大きい揮発性液体。アルコール、ベンゼン、エーテル、四塩化炭素、二硫化炭素、
油によく溶ける。純粋のクロロホルムは、空気にふれ、同時に日光の作用をうけると分解して塩素、塩化水素、
ホスゲン、四塩化炭素を生ずるが、少量のアルコールを含有させると、分解を防ぐことができる。 |
溶剤、消化剤、薬用 |
原形質毒。深麻酔をおこすと運動、知覚は完全に麻痺し、意識も消失、全身筋肉の弛緩と瞳孔の収縮をおこす。
長時間、この害を受けると、肝臓、腎臓、心臓に障害を及ぼす。皮膚と接触させておくと火傷を生ずることがある。
直射を避け、冷所に保存。 |
硅弗化水素酸 [ヘキサフルオロケイ酸、硅弗酸] |
無色透明、刺戟臭のある発煙性液体。比重は1.32、沸点は108.5℃。市販品は32%溶液である。 |
セメントの硬化促進剤 |
中枢神経興奮作用。悪心、吐き気、筋肉無力、痙攣をおこし、全身硬直して死に至る。
皮膚に接触すると火傷をおこすことがある。応急処置として、内服した場合は、吐剤、下剤を使用して胃を洗い、
蛋白汁を多くとらせるとよい。 |
シアン酸ナトリウム [シアン酸ソーダ] |
白色結晶性粉末。熱に対して安定で600℃に加熱するとはじめて分解する。 |
有機合成、鋼の熱処理、医薬製造の中間体 |
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり腹腔内注射で266mg。 |
ジエチル4-クロルフェニルメルカプトメチルジオホスフェイト |
無色、無臭の液体。有機溶媒に容易、水にわずかに溶ける。現在、市販品はない。 |
はだに類の殺虫剤 |
有機燐製剤の一種であるため、中毒症状もパラチオンと似ている。
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で55.6mg。 |
ジエチル-(2.4-ジクロルフェニル)-チオホスフェイト
[ジクロフェンチオン、ECP] |
淡黄褐色液体で、水に難溶、有機溶媒に容易。市販品は有効成分3%b含有の紛剤(VC粉剤)
及び75%含有の乳剤(VC乳剤)がある。 |
タマネギバエ等土壌害虫の駆除 |
有機燐製剤の一種であるため、中毒症状もパラチオンと似ている。
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で270mg。 |
ジエチル-2.5-ジクロルフェニルメルカプトメチルジオホスフェイト
[CMP] |
微臭のある琥珀色、油状物質。一般に有機溶媒には溶けやすく、蒸留すると分解する。
現在、農薬としての市販品はない。 |
接触性殺虫剤 |
有機燐製剤の一種であるため、中毒症状もパラチオンと似ている。
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で182mg。 |
四塩化炭素 [四塩化メタン、過クロルメタン] |
揮発性、麻酔性の芳香を有する無色の重い液体。水には溶けにくいが、アルコール、エーテル、クロロホルム
にはよく溶ける。不燃性であるが、さらに揮発して重い蒸気となり、火炎をつつんで空気を遮断するので、
強い消化力を示す。また油脂類をよく溶解する性質がある。アルコール性の水酸化ナトリウムと
銅粉とともに煮沸すると、黄赤色の沈殿を生ずる。 |
消化剤,クリーニング、溶剤,芳香油抽出、殺虫剤,機械器具の洗浄,変圧器スイッチ油代用 |
揮発性の蒸気の吸入によることが多い。症状は初め頭痛、悪心などをきたし、また黄疸のように
角膜が黄色となり、次第に尿毒症状を呈し、死亡することもある。水分が存在するときは、金属製品を腐食し、
また高熱下で酸素と水分が共存するときは、無色無臭の毒ガス、ホスゲンを生成するから危険。
亜鉛又は錫メッキした鋼鉄製容器で保管し、高温に接しない場所に保存する。ドラム缶で保存する場合は、
雨が入らないようにし、直射日光を避け冷所に置く。蒸気は空気より重く、低所に滞留するので、
地下室など換気の悪い場所には保管しない。 |
シクロヘキシミド |
本品は抗カビ性抗生物質で、無色の小板状晶または白色の針状晶である。
クロロホルム、アセトン、低級アルコールに易溶。水には2%溶ける。 |
たまねぎのベト病に対し,12.5ppm濃度の水溶液に希釈して散布 |
本品の結晶又は濃厚溶液は、フェノールと同様な局所刺激作用を有する。
動物に投与したとき、ウサギでは体重減少、腸カタル、腸内出血、人間ではおもに悪心、嘔吐等の
症状を呈する。現在、農薬としての市販品はない。 |
ジクロル酢酸 [ジクロロ酢酸] |
本無色の液体。アルコール,エーテル,水に溶ける。 |
有機合成、試薬 |
皮膚と眼に激しい刺激症状をおこす。ウサギにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で510mg。 |
ジクロルブチン |
無色の液体。水に難溶、有機溶媒に容易。常温で安定。 |
癌線虫その他土壌線虫の防除 |
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり急性毒性で53.6mg。現在、市販品はない。 |
2.3-ジ-(ジエチルジチオホスホロ)-パラジオキサン |
黄褐色の透明、可乳化、油状液体で、微臭がある。現在、農薬としての市販品はない。 |
リンゴ、桜桃、大豆等のダニ類の防除に使用される |
有機燐製剤であるため、中毒症状も他の有機燐製剤と似ている。
ラットにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で176mg。 |
2.4-ジニトロ-6-シクロヘキシリフェノール
[DN、DNCHP] |
黄白色の結晶で、水,アルコールに溶けないが,ベンゼン,アルカリに分解する。 |
接触剤、消化中毒剤 |
急性中毒には麻酔作用をあらわす。マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で225mg。
現在、農薬としての市販品はない。 |
2.4-ジニトロ-6-(1-メチルプロピル)-フェニルアセテート
[酢酸ジノセブ、DNBPA] |
常温で茶褐色の液体。水に不溶、ほとんどの有機溶媒に可溶。アルカリ、紫外線で分解。 |
>除草剤 |
中毒症状は、DNOC、ドルマントスケルシン等に類似する。
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で51.25mg。 |
2.4-ジニトロ-6-メチルプロピルフェノールジメチルアクリレート
[ビナパクリル] |
褐色の弱い芳香臭の固体。ほとんどあらゆる有機溶媒に可溶。アルカリ、紫外線により分解。 |
殺菌剤 |
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり急性中毒で229.5mg。
市販品は、有効成分30%および50%の含有水和剤(アクリシッドゾル、アクリシッド水和剤) |
2.2'-ジピリジウム-1.1'-エチレンジプロミド
[ジクワット] |
淡黄色結晶で水に溶ける。中性・酸性で安定。アルカリ性溶液でうすめる場合には、
2〜3時間以上貯蔵できない。腐食性。 |
除草剤 |
ラットにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で157mg。
30%含有のレグロックスほか、パラコートとの配合剤(ブリグレックスL、マイゼット)がある。 |
1.2-ジブロムエタン [EBD、ニ臭化エチレン] |
無色揮発性乳化性の液体。クロロホルムのような臭気がある。水に溶けにくいが、アルコールに溶ける。 |
各種線虫の駆除 |
マウスに8600ppmのものを50分間噴霧すると、1〜2日で死亡する。
皮膚を腐食する性質をもっている。光を遮って貯える。 |
ブロムクロルプロパン [DBCP] |
やや甘い香りと刺激臭のある淡黄色の透明な液体。水に難溶で、有機溶媒に溶けやすい。
現在、農薬としての市販品はない。 |
根癌線虫の防除 |
本品の中毒症状は発現が遅く、摂取1時間以内には認められない。主用症状は著しい体温降下作用
及び全身の麻痺状態をきたす。 |
3.5-ジブロム-4-ヒドロキシ-4'-ニトロアゾベンゼン
[BAB] |
赤橙色粉末。水に溶けにくく、有機溶媒に可溶。 |
ユリミミズ類の駆除 |
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で176mg。現在、農薬としての市販品はない。 |
ジメチルエチルスルフィニルイソプロピルチオホスフェイト
[ESP] |
黄色澄明油状液体。水、すべての、有機溶媒に可溶、石油、石油エーテルに不溶。アルカリで分解。 |
吸汁昆虫の駆除 |
有機燐製剤であり、中毒症状もパラチオン製剤と類似する。
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で74mg。市販品は有効成分45%の乳剤。 |
ジメチルエチルメルカプトエチルジチオホスフェイト
[チオメトン] |
無色油状の液体。有機溶媒に可溶で、石油エーテル、パラフィン油、プロピレングリコールに不溶である。
乳剤には危害防止のため嫌悪臭をつけている。 |
浸透性殺虫剤 |
有機燐製剤であり、中毒症状もパラチオン製剤と類似する。
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で59.25mg。主剤25%含有の乳剤、1.5%含有の粉剤などがある。 |
ジメチル2.2-ジクロルビニルホスフェイト |
比較的揮発性の無色油で、芳香性刺激臭があり、水に不溶である。 |
接触性殺虫剤 |
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で70〜90mg。 |
ジメチルジチオホスホリルフェニル酢酸エチル |
赤褐色、油状の液体で、芳香性刺激臭を有し、水、プロピレングリコールに不溶、リグロインにやや溶け、
アルコール、アセトン、エーテル、ベンゼンに溶ける。アルカリに不安定。 |
ツマグロヨコバイなどの駆除 |
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり急性で228mg。 |
ジメチルブロムジクロルエチルホスフェイト |
無色ないし淡黄色のやや粘調性の液体で、わずかに刺激臭を有する。水に溶けない。
脂肪族溶媒に溶けにくく、芳香族溶媒には溶けやすい。 |
アブラムシ類の駆除 |
本品をマウスに注射すると、30分以内に激しい間代性痙攣を引き起こして死亡する。 |
ジメチルフタリルイミドメチルジチオホスフェイト |
白色の結晶、純品は無臭、工業製品は特有の刺激臭がある。アルカリに不安定。
アセトン、メチルエチルケトン、キシロールの10〜20%に溶けるが、水に溶けにくい。 |
イネドロオイムシなどの駆除 |
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で31.9mg。 |
ジメチル-(N-メチルカルバニルメチル)-ジチオホスフェイト |
白色の固体。キシレン、ベンゼン、メタノール、アセトン、エーテル、クロロホルムに可溶。
水溶液は温室で徐々に加水分解し、アルカリ溶液中ではすみやかに加水分解する。太陽光に安定で、熱に対する安定性は低い。 |
ツマグロヨコバイなどの駆除 |
症状は流涙、痙攣様呼吸、軽度の麻痺状えお呈し、時間とともに間代性痙攣、体温の低下を呈して死亡する。 |
ジメチル硫酸 |
無色油状液体、水に微溶。水と接触すれば、徐々に加水分解する。 |
有機合成のメチル化剤、軍用毒ガス |
猛毒で蒸気を吸入したり、皮膚に触れても吸収されて毒性を示す。
皮膚の懐死をおこし、致命的となる。疲労、痙攣、麻痺、昏睡をおこして死亡する。 |
重クロム酸 |
性状 |
用途 |
毒性 |
蓚酸 |
角錐状あるいは細長い8面体であるが、氷酢酸より結晶したものは斜方晶。
多くの植物、特にかたばみ科、たで科の植物に、ナトリウムまたはカルシウム塩として、
細胞液の中に含まれている。 |
分析試薬、染料および中間体、青インク、セルロイド、蓚酸塩類の原料。 |
腐食剤の一種である。昇華した煙霧を吸入すると、気管上部に障害を与え、
経口的に摂取したときは、痙攣、次いで虚脱、昏睡を経て死に至る。 |
臭素 |
刺激性臭気のある揮発性赤褐色の重い液体。アルコール、エーテル、水に可溶、腐食性が強い。 |
化学薬品、染料の製造、写真用、酸化剤、殺虫剤、殺菌剤、試薬。 |
強い腐食性をもち、吸入すれば粘膜を刺激し、炎症をおこす。
15ppmでのどに刺激を感じ、30ppmでせきがでるようになる。1、000ppmで数分間経過すれば致命的である。
30〜60分間、40〜60ppmのブロムを吸入すれば危険である。
少量の場合は共栓ガラスビンに入れ、濃塩酸、アンモニア水、
アンモニアガスをさけて、冷所に貯える。有機物に触れると発火することがあるから注意を要する。 |
硝酸 |
水を含まない純粋な硝酸は無色液体で空気中で白霧を発し、水を吸収する性質が強い。 |
硫酸、燐酸の製造、ニトロ化合物、爆薬の製造、硝酸塩類の製造、試薬。 |
強い硝酸が皮膚にふれると組織をおかす。蛋白と結合するからハロゲン化水素酸ほど浸透することは少ない。 |
硝酸タリウム |
白色結晶、熱水に可溶、水にはわずかに溶け、アルコールに不溶。 |
試薬、花火(緑色)、殺鼠剤。 |
痙攣をおこして死亡する。 |
水酸化カリウム |
白色固体、水、アルコールに可溶、水に溶けて強いアルカリ性を呈する。
水と炭酸を強く吸収する。 |
化学工業用途きわめて多い。試薬。 |
濃厚水溶液は腐食性が強く、皮膚に触れると激しく侵す。また、これを飲めば死に至る。
ダストやミストを吸入すると、呼吸器官を侵し、目に入った場合には、失明のおそれがある。 |
水酸化ナトリウム |
白色結晶の塊、水および炭酸を吸収する性質が強く、潮解して次第に炭酸ナトリウムの膜を生ずる。
水に溶けて強いアルカリ性を呈する。アルコール、エーテルに可溶。 |
化学工業上きわめて重要な原料であって、石鹸製造、パルプ工業、合成化学用、試薬。 |
蛋白を溶解する性質がきわめて強いので、皮膚にふれるとこれを激しく腐食し、
粘膜に対してはその作用はきわめて激しい。 |
スルホナール |
無色の結晶性粉末、アルコールに溶け、水、エーテルにやや溶ける。 |
医薬、不眠症などに用いる。 |
嘔吐、めまい、胃腸障害、腹痛、下痢、便秘などをおこし、運動失調、麻痺、腎臓炎、尿量減退として現れる。
解毒剤としては、重炭酸ソーダ又はマグネシア、酢酸カリ液などのアルカリ剤を用いる。 |
テトラエチルメチレンビスジオホスフェイト |
不揮発性液体。キシレン、アセトンなどの有機溶媒に可溶。 |
果樹のだに類には1、000〜1、500倍、クワカイガラムシには1、000〜1、500倍に希釈して散布。 |
有機燐製剤であるため血圧降下、コリンエステラーゼの阻害等、他の有機燐製剤と同様な中毒症状を呈する。 |
トリエタノールアンモニウム-2.4-ジニトロ-6-フェノラート |
赤褐色の液体で水に溶けやすい。 |
接触性殺虫剤。 |
新しい有機化合物であるが、中枢興奮性の中毒症状をおこすので劇物に指定された。
重い時は呼吸麻痺で死亡する。 |
トリクロル酢酸 |
潮解性の無色の結晶で、刺激性窒息性の臭気がある。腐食性が強い。 |
医薬、有機合成、アルブミン検出用の試薬。 |
皮膚に対する腐食性が強い。 |
トリクロルヒドロキシエチルジメチルホスホネイト |
白色、芳香の結晶性粉末。 |
接触性殺虫剤。 |
有機燐製剤の一種であり、中毒症状もパラチオン製剤に類似する。他の有機燐製剤に比べると、幾分低毒性である。 |
トリチオシクロヘプタジエン-3.4.6.7-テトラニトリル |
黄色の結晶、無臭、水にほとんど溶解せず、ベンゼン、クロロホルム、アセトンに溶ける。 |
瓜類のベト病、ウドンコ病およびトマトのハカビ病に対して100立方メートル当たり10〜20gを燻蒸。
ビニールハウス、温室等で使用する。 |
マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で162mg。 |
トルイジン |
トルイジンはo,m,pの3種類ある。oは、無色の液体で、空気と光にふれて赤褐色に変化する。
アルコール、エーテルには溶けやすく、水にはわずかに溶ける。mは、無色の液体で、アルコール、エーテルには溶けやすく、
水にはわずかに溶ける。pは、白色の光沢ある板状結晶で、アルコール、エーテルには溶けやすく、水にはわずかに溶ける。 |
o,m,pいずれも染料、香料の中間体の原料として用いられる。 |
メトヘモグロビン形成能があり、チアノーゼ症状をおこす。頭痛、疲労感、呼吸困難、神経障害、腎臓や膀胱の
刺激をおこし血尿をきたす。吸収はほぼ呼吸器であり、皮膚からの吸収もある。 |
ナトリウム |
銀白色の光沢をもつ金属。常温では蝋のような硬度をもっており、空気中で容易に酸化される。
冷水中に投げ入れると浮かび上がり、すぐに爆発的に発火して水酸化ナトリウムと水素を生成する。 |
工業用にアマルガム製造用、漂白剤の過酸化ナトリウムの製造に使用されるほか、試薬に用いられる。 |
中毒というよりは、爆発の危険の方が大きく、皮膚についたときは、苛性ソーダより強力に腐食する。 |
ニトロベンゼン |
無色又は微黄色の吸湿性の液体で、光線を屈折する。水にはわずかに溶け、アルコールには溶けやすい。
溶液は、甘味を有する。 |
純アニリンの製造原料として用いられるほか、タル中間物の製造原料、合成化学に酸化剤として用いる。 |
皮膚、呼吸器、消化器などから吸収され、8〜24時間で中毒症状を現す。症状は頭痛、めまいをおこすが、
重いものは苦悶、嘔吐、麻痺、痙攣などをもおこす。 |
二硫化炭素 |
無色透明の液体。純品はほとんど無臭であるが、工業用品は強い不快臭がある。
これは硫黄化合物の存在に起因するものである。アルコール、クロロホルム、エーテルに可溶。 |
油脂、ゴム、グッタペルカ、蝋、樹脂の溶剤、精油の抽出、レイヨン、キサントゲナートの原料、
マッチ製造の硫黄、燐の溶剤、ワニス、ラッカーの溶剤、衣服、植物の殺虫および虫除け、土壌の消毒、真空管工業。 |
比較的低濃度の蒸気に長く持続して曝露した結果おこることが多い。吸入による中毒症状は
神経質、刺激性、胃弱、奇怪な夢から続いて不眠、極度の疲労、軽度または中等度の運動による呼吸促迫、食欲不振、
頭痛、四肢の感覚異常、蝋様蒼白、血圧降下、ふるえ、不審な行動、重傷の場合には更に仮面様顔貌、腕、背部の強直、
歩行の際、歩を速め、うでのふり方が正常でない。 |
発煙硫酸 |
97〜98%硫酸にSO3を吸収させたもので、70%以上のSO3を含むものは常温で固化する。 |
スルフォン酸類の製造、医薬、染料、爆薬の製造。 |
硫酸とほぼ同様である。皮膚、に対する腐食性、刺激性が強い。 |
パラトルイレンジアミン |
無色の板状結晶。水に溶けやすい。 |
染料 |
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パラフェニレンジアミン |
白色結晶、大気中でやや黒変。アルコール、エーテルに可溶、クロロホルムに難溶。 |
アゾ染料の原料、写真現像薬、白髪染、ゴム加硫促進剤、化学分析。 |
皮膚に炎症をおこす。呼吸器に対しては気管支喘息をおこす。以上の作用はパラ体で最も強い。 |
ピクリン酸 |
黄色の結晶。水、アルコール、エーテルに溶ける。有毒にして爆発危険物、金属および金属酸化物などに
接触すると特に爆発性が鋭敏になる。 |
爆薬、絹の染料、医薬。 |
致死量はまだ明らかにされていない。1〜2gで中毒を起こすが、約6g飲んでも治った例がある。
染料、爆薬製造工場で、粉や蒸気を吸入して、眼、鼻、口などの粘膜、気管に障害をおこし、皮膚に湿疹を生ずることがある。
火気に対して安全で隔離された場所に、硫黄、ヨード、ガソリン、アルコール等と離して保管する。鉄、銅、鉛等の金属容器を使用しない。 |
ヒドロキシルアミン |
無色結晶、130℃に熱すると爆発的に分解する。水、アルコール、エーテルに可溶、
水溶液はアルカリ性を呈する。酸と作用して塩をつくり、強力な還元作用を呈する。 |
試薬、還元剤。 |
体内で分解して亜硝酸塩とアンモニアとなる。血液に作用してヘモグロビンをつくり、
痙攣、麻痺をおこさせる。 |
フェノール |
白色ないし淡紅色の結晶塊状、完全に純粋でないものは紅色または赤色に変じている。
大気中より水分を吸収して液状になる。灼くような味と特臭がある。 |
消毒剤、医薬、歯科、ピクリン酸、サリチル酸、フェナセチン、染料中間体の原料、合成樹脂および
可塑剤、石炭酸塩の原料。 |
接触した個所に腐食作用を示し、皮膚、粘膜、胃腸管おるいは肺を通じて速やかに吸収される。
症状は20〜30分以内に現われ、高度の筋力減弱、頭痛、めまい、眼のかすみ、耳鳴り、呼吸不整および促進、脈拍微弱、
呼吸困難であり、これらに伴ってしばしば精神混乱、筋痙攣、意識喪失をおこし、まれに呼吸障害のために死亡する。 |
ブラストサイジンS |
結晶は白色針状結晶。 |
稲のイモチ病の防除に10アール当たり3kgの割合で散布する。 |
大量を経口投与した場合に肝臓に核の膨大および変性、腎臓に糸球体、細尿管のうっ血、脾炎の所見をみる。 |
ブロムエチル |
無色可燃性揮発性の液体。空気中では日光で黄味を帯びてくる。エーテル臭、灼くような味。
アルコール、エーテル、クロロホルム、その他の有機溶剤に溶ける。 |
有機合成、医薬、起寒剤。 |
頭痛、眼および鼻孔の刺激、呼吸困難などとして現れ、皮膚につくと水疱をを生じる。中毒の場合は、新鮮な空気に接し、
足を高くして額面を下に向け、体を温めるとよい。 |
ブロム水素 |
無色透明あるいは淡黄色の刺激性の臭気がある液体で、空気に触れると、一部酸化されてブロムを遊離する。 |
各種ブロム塩の製造、臭化アルキルの製造、試薬 |
他の酸類と同様に、強い腐食性を有する。接触部位の激痛、皮膚の潰瘍を起こすほか眼接触では疼痛、結膜浮腫から
失明することもある。 |
ブロムメチル |
常温、常圧で気体。圧縮したものは常温で無色透明の揮発性の液体。比較的高濃度における以外は無臭。
アルコール、エーテル、および四塩化炭素にはあらゆる場合で溶解し、クロロホルム、二酸化炭素およびベンゼンには非常によく溶ける。
水と作用して大きな含水結晶をつくる。 |
有機合成 |
知らぬ間に被害を受ける毒で、塩化メチルより有毒。高濃度の空気中では、局所刺激と呼吸器障害を起こす。
低濃度でも長時間呼吸すると抑うつ病や知覚および心的障害を引き起こし、それが長時間続く。
ブロムメチルに曝露してから障害あるいは中毒の徴候が現れるまでには2〜48時間の潜伏期がある。潜伏期を経た後、強い疲労感、
頭痛、嘔吐、聴力障害、精神障害、筋力減弱、虚脱などの症状が現れる。さらに進むと、局所的ないしは全身的な痙攣、
四肢の感覚障害、精神異常を来すこともある。 |
ヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエキソジメタノナフタリン |
白色の結晶で、ほとんど無臭。水に不溶。普通の有機溶媒にも難溶。 |
殺虫剤、乳剤を400〜500倍に希釈して散布。 |
エンドリン、アルドリン等と同じであるが、作用の点で弱い。焦燥感、頭痛、食欲及び体重減少、不眠等が現れる。 |
1.2.3.4.5.6-ヘキサクロルシクリヘキサン |
白色結晶で、いくぶん揮発性があり、昇華する。水に不溶、エーテルに不溶、アルコールにわずかに溶ける。 |
接触性殺虫剤、乳剤は、200〜500倍に希釈し散布。 |
α、β、γ、δ、εの異性体があるが殺虫効力の最も強いのはγである。
接触毒で、角皮より吸収されて神経系をおかす。また揮発性であるため、呼吸毒としての作用がある。 |
ヘキサクロルヘキサヒドロジメタノナフタリン |
白色の結晶で、臭気はほとんどなく、似ずに溶けず、有機溶媒に溶ける。 |
接触性殺虫剤 |
エンドリン、アルドリン等と同じであるが、作用の点で弱い。焦燥感、頭痛、食欲及び体重減少、不眠等が現れる |
ベタナフトール |
光輝ある白色、嵩大な鱗片状結晶、漸次暗色に変わる。
アルコール、エーテル,クロロホルム、ベンゼン、アルカリ溶液に可溶。水に不溶。 |
医薬、有機合成、染料。 |
生理作用は石炭酸に似ている。石炭酸より強い防腐剤である。血液や腎臓に有害な作用をする。
皮膚から吸収されやすく、特に疥癬の場合は中毒しやすい。中毒症状は嘔吐、人事不省になり、腎臓を刺激する。 |
1.4.5.6.7-ペンタクロル-3a.4.7.7a-テトラヒドロ-4.7-インデン |
白色ないし淡黄色の粉末。 |
接触性殺虫剤 |
塩素化合物であるから中毒症状はとの塩素化合物と同じように、嘔吐、吐き気、頭痛を伴い、いらいらして痙攣を現わす。
慢性中毒では神経過敏になり、食欲がなくなり、次第に衰弱して死ぬ。 |
ペンタクロルフェノール |
白色針状結晶。水に難溶。水または酸と煮沸しても塩素を分離せず、他の金属イオンと塩を作る。
ソーダ塩は水溶性。強い殺菌力、防腐性とともに除草性をもつ。 |
木材の防腐、有害雑草の除去、藻類除去、工場用水。 |
致死量を与えた時に見られる症状は、発熱、呼吸および脈拍増加、糖尿等で、死亡前30〜10分前には甚だしい
筋肉弛緩と循環系の衰弱をおこし、虚脱状態を呈して死亡する。 |
ホルムアルデヒド |
無色可燃性のガス、窒息性刺激性で、高濃度では耐え難い。変化に富み、また重合しやすい。
石炭や木材が燃えるときの煙、特に燻製をつくるときの煙の中に存在する。 |
農薬として、ウリ類ベト病などの防除、種子の消毒など。工業用としては、フィルムの硬化、人造樹脂、色素合成など。 |
粘膜を刺激する。長時間の、または繰り返しての接触は危険。長時間の接触で皮膚にヒビ割れ
および潰瘍を生じ、特に指の爪のまわりが甚だしい。 |
無水クロム酸 |
赤色針状晶、水によく溶け、次第に還元されて緑色となる。 |
強い還元剤として用いられる。 |
皮膚、粘膜の刺激、潰瘍などの障害を起こし、毒性が強い。 |
メタノール |
無色透明、動揺しやすい揮発性液体で、水、アルコール、エーテル、クロロホルム、脂肪、揮発油と任意の割合で混合する。
純品はわずかにアルコールに似た臭気をもち、火をつけると容易に燃える。通常の大気温度においては腐食性はないが、鉛とアルミニウムは例外。
自然発火の可能性はない。吸湿性もない。 |
染料その他有機合成原料、脂肪、樹脂、塗料などの溶剤、燃料、試薬、標本保存用などに用いる。 |
中毒症状は、中枢神経系への障害の結果で、頭痛、めまい、嘔吐、下痢、腹痛などをおこし、致死量に近ければ
麻酔状態になり、視神経がおかされ、目がかすみ、中心性暗転を訴え、ついに失明することがある。また、腎臓、肝臓、
心臓、および他の器官の変性をおこす。 |
メチルスルホナール |
無色の光沢のある結晶性粉末。無臭で特有の弱い苦味がある。
水、アルコール、エーテルに溶ける。 |
医薬(催眠剤)、殺鼠剤 |
嘔吐、めまい、胃腸障害、腹痛、下痢、便秘などを起こし、運動失調、麻痺、腎臓炎、尿量減退、ポルフィリン尿として現れる。 |
N-メチル-1-ナフチルカルバメート |
ほとんど無色無臭結晶で、有機溶媒に溶ける。常温で安定。 |
稲のツマグロヨコバイ、ウンカ、柑橘類のハマキムシの殺虫。
水和剤、乳化剤は1,000〜2,000倍に希釈して、10a当たり108から180リットルを散布。 |
ラットにおける50%致死量は、経口投与で体重1kg当たり115mg。 |
モノクロル酢酸 |
きわめて潮解性の無色結晶、皮膚を腐食する。水、アルコール、エーテルに溶ける。 |
有機合成、溶剤、医薬 |
本品、ことに蒸気は、皮膚を強く腐食する性質がある。 |
沃化水素 |
無色の気体。水,アルコールに溶ける。 |
水溶液は沃化水素酸であって、試薬,有機合成に用いられる。 |
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沃素 |
金属光沢ある青黒色綾板状結晶。熱すれば紫色の蒸気となって揮散する。
水には黄褐色を呈してきわめてわずかに溶け、ヨードカリ溶液には溶けやすい。
アルコール、エーテルには溶けて黄褐色となるが、クロロホルム、CO2には溶けて紫色となる。 |
ヨード化合物の製造、試薬、写真用、染料の製造、医薬品 |
腐食性は他のハロゲン、例えば塩素、ブロムに比べると激しくないが強い。
皮膚に触れると褐色に染め、蒸気を吸入すると粘膜を刺激し、めまいや頭痛をおこす。アンモニア、テレビン油などに混ぜると、温度の
上昇によって爆発するから危険である。 |
硫酸 |
水を含まない純粋な硫酸は無色粘調油状液体である。強い酸性で、濃硫酸は強く水を吸収し、
水に溶かすと強く発熱する。有機物にふれると炭化して黒変させ、金属を腐食する。
バリウム塩溶液を加えると、水,酸に不溶の白色の硫酸バリウムを生ずる。 |
医薬品、化学薬品、肥料の製造、石油精製、染料、塗料、顔料の製造 |
腐食性強く、皮膚にふれれば組織を破壊し、火傷をおこす。 |
硫酸タリウム |
無色結晶。加熱すれば分解する。水にやや溶け、熱湯に可溶。 |
試薬、殺鼠剤 |
中毒症状としては、疝痛、嘔吐、痙攣、麻痺、次第に呼吸困難となり脱水症状を呈する。 |
燐化亜鉛 |
灰色塊あるいは暗灰色粉末。水,アルコールに不溶。酸で分解され、湿気のある空気中で分解する。 |
殺鼠剤 |
ラッテの中毒症状は感覚鈍麻、運動不活発となり体温降下、呼吸麻痺で死亡する。 |
ロダン酢酸エチル |
淡黄色、澄明可乳化液体。水に可溶。 |
稲の寄生するシンガレ線虫の防除に用いる。 |
経皮毒性 0.02cc/マウス...30分以内に死亡。 |
ロテノン |
無色無臭六角板状結晶。水に不溶、アセトン、クロロホルム、四塩化炭素などの有機溶媒に溶け、
これらの溶媒および酸と結晶性の分子化合物を作る。空気中では速やかに酸化されるが、これを還元して得られる
ジヒドロロテノンは比較的安定。 |
アブラムシ、グンバイムシ等の殺虫に3%製剤を800〜1,200倍希釈して散布。 |
溶液は食毒、接触毒として作用し、ニコチン、砒酸鉛に比べてはるかに強い殺虫効果をもつが、
鳥類、哺乳類には比較的毒性が弱い。 |