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名前 [別名]
性状用途毒性
エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト [EPN]
白色結晶で、水に溶けにくい。一般の有機溶媒には溶け易い。灰白色で特異の不快臭がある。 工業的には暗褐色の液体である。 TEPP及びパラチオンと同じ有機化合物で遅効性の殺虫剤として使用される 温血動物に対する毒性はかなり強いので皮膚につけたり、口から吸うことはきわめて危険。 解毒剤としては、パムおよびアトロピンが有効。
黄燐 [白燐]
白色または淡黄色の半透明体。特異なニンニク臭。水にほとんど不溶。 アルコール、エーテルに難溶。油脂類、二酸化炭素に易溶。空気中では非常に酸化されやすく、放置すると50℃で発火して 無水燐酸となる。塩素とはただちに発火して化合し、塩化物となり、KOHと熱すればホスフィンを発生する。 湿った空気に触れ徐々に酸化され、暗所ではリン光を発する。 酸素の吸収剤、ガス分析その他の化学反応、殺鼠剤の原料、マッチ(日本では禁止)、発煙剤の原料 成人に対する致死量は0.02〜0.05g。 内服した場合には、胃痛、悪心、吐き気をもよおし、そのおぶつはニンニク臭があり、暗所で燐光を発する。 皮膚に付着すると、一部は皮膚、筋肉、骨などを侵して体に吸収される。よって、微量の燐でも皮膚に付着することは 危険である。 水を満たしたビン中に入れ、ビンを砂の中に立てて冷暗所に貯える。
オクタクロルテトラヒドロメタノフタラン [テロドリン]
常温で白色の結晶固体。水には溶けないが、ベンゼン、トルエンに易溶。 空気中、多湿の状態で安定。酸、アルカリにも安定。(現在、農薬としての市販品はない) T陸稲に散布する。魚類には毒性が強いので、水田では使用しない 有機塩素系であり、エンドリンとほぼ同様の毒性を有する。 マウスに投与したときの中毒症状は、不安状態を示し、やがて震顫をおこし、 まもなく硬直系痙攣をおこし、眼球突出を示し死亡する。
オクタメチルピロホスホルアミド [シュラーダン,OMPA]
無色無臭のいくらか粘性のある液体でわずかに刺激性のある辛味を有する。 水及び有機溶媒に溶けるが、パラフィン系溶媒には溶けない。水、アルカリには安定であるが、 酸によって分解を受けてジメチルアミンと燐酸になる。 かんきつ類、りんご、なし、またはホップの害虫の駆除に用いる 生体内で分解し、組織および血液中のコリンエステラーゼと結合してその作用を抑制する。 すなわち、中枢および副交感神経刺激症状を呈し、特に、眼球突出、血性の流涙、流涎があり、 肝細胞および腎細胞尿管の実質変性がみられる。
クラーレ [ウラリ]
容器によって、竹筒クラーレ、壷クラーレ、瓢箪(ひょうたん)クラーレの三種類ある。 産地は南米アマゾン流域、ギアナ、ベネズエラなどで、いずれも土人が矢毒に用いたものである。 薬理学の実験 致死量は犬、猫に対し、皮下注射で、体重1kgあたり0.34mg。中毒症状は、まず四肢の運動麻痺にはじまり、 ついで胸腹部、頭部におよび、呼吸麻痺で死に至る。
四エチル鉛 [エチル液]
純品は、無色の揮発性液体であるが、特殊な臭気があり、比較的不安定で、 日光によって徐々に分解、白濁する。引火性であり、金属に対して腐食性もある。 ガソリンのアンチノック剤 毒作用は非常に強い。蒸発して蒸気となり、これを吸入すれば鼻、口などから体内に入り、 また液が皮膚に触れても皮膚から浸透して体内に入り込むから、取扱の際、細心の注意を要する。 容器は特別製のドラム缶を用い、火気のないところを選定し、床面はコンクリート、または分厚な枕木の上に保管する。
四メチル鉛 [テトラメチル鉛]
常温において無色可燃性、ハッカ実臭をもつ液体。ガソリンに全溶、 水にわずかに溶け、日光によって分解する。 ガソリンのオクタン価の向上 毒作用は非常に強い。蒸発して蒸気となり、これを吸入すれば鼻、口などから体内に入り、 また液が皮膚に触れても皮膚から浸透して体内に入り込むから、取扱の際、細心の注意を要する。 容器は特別製のドラム缶を用い、火気のないところを選定し、床面はコンクリート、または分厚な枕木の上に保管する。
四アルキル鉛
t4:四エチル鉛
Et3Me:トリエチルメチル鉛…(1)
Et2Me:ジエチルジメチル鉛…(2)
EtMe3:エチルトリメチル鉛…(3)
Me4:四メチル鉛
ガソリンのオクタン価の向上に用いる。(1)ロードオクタンの向上(2)低速ノッキングの解消 (3)マイレージの伸長(4)経済性の増大などの効果がある 毒作用は非常に強い。蒸発して蒸気となり、これを吸入すれば鼻、口などから体内に入り、 また液が皮膚に触れても皮膚から浸透して体内に入り込むから、取扱の際、細心の注意を要する。 容器は特別製のドラム缶を用い、火気のないところを選定し、床面はコンクリート、または分厚な枕木の上に保管する。
シアン化水素 [蟻酸ニトリル、青化水素、青酸ガス]
無色で特異臭のある液体。水を含まない純シアン化水素は無色透明の液体で、アーモンド臭おび、 水、アルコールによく混和する。点火すれば青紫色の炎を発し燃焼する。純品は安定だが、水があると安定度が減少し、 普通のものは長く保存する間に分解や重合をおこす。 有機合成、殺虫剤(特に果実)、船底倉庫の殺鼠剤、分析試薬 青酸中毒症状は、大量の青酸ガスを吸入した場合、ほとんど電撃的に死をまねく。 やや少量の場合は、呼吸困難、呼吸痙攣などがあり、ついで呼吸麻痺で倒れる。症状は速やかに現れるが、 致死量以下の場合は回復も速やかである。解毒剤として、チオ硫酸ナトリウムの静脈注射、デトキシンの 筋肉内注射を用いる。 少量なら褐色ガラス瓶、多量なら銅製シリンダーを用い日光および加熱を避け風通しのよい冷所に置く。
シアン化ナトリウム [青酸ソーダ、シアンソーダ、青化ソーダ]
常温以上では無色等軸晶系結晶、15℃以下では菱面体結晶で潮解性がある。 酸と反応すると有毒でかつ引火性のシアン化水素を発生する。水に溶けやすい。水溶液は強アルカリ性である。 錬金用、金属摘出用、合成化学用 本品自体猛毒性であるが、空気にふれると湿気及び炭酸ガスを吸収して、シアン化水素を 発生するから、さらに危険である。
ジエチルパラニトロフェニルチオホスフェイト [パラチオン]
微帯黄色またはほとんど無色の結晶。水にほとんど不溶。アルコール、酸、クロロホルム、四塩化炭素、 エーテル、ベンゼン、油脂に容易。アルカリで加水分解するが、TEPPほど速やかでなく、 したがって、遅効性の殺虫剤として使用する。 農作物の駆除。乳剤は1,000〜3,000倍に薄めて噴霧(現在は使用禁止) 組織で化学変化を受け、分子中のSがOに置換されてパラオクソンとなり毒力が増加する。 パラチオンは血液中のコリンエステラーゼの作用を抑制するから、アセチルコリンが増加し、 これがコリン作動性神経を過剰に刺激して、発熱、白血球増加、血圧上昇などの、中毒症状をおこす。
ジニトロクレゾール
黄色結晶で水に難溶。アルカリ性溶液、エーテル、アセトン、エタノールに易溶。火災危険性がある。 即効性接触性除草剤 呼吸数の増加、発熱、発汗を招き、せきを発す。(現在、農薬としての市販品はない。)
2.4-ジニトロ-6-(1-メチルプロピル)-フェノール
暗褐色の結晶で、水に溶けやすい。(現在、農薬としての市販品はない。) みかんのヤノネカイガラムシ、落葉果樹のクワカイガラムシ等の駆除 呼吸運動が促進し、刺激に対して過敏になり、さらに症状が進むと前身の震顫におちいり、横転する。 強直性の痙攣は5〜10秒ぐらいで緩解、間代性痙攣を反復し、ついには呼吸困難で死亡する。
ジメチルエチルメルカプトエチルチオホスフェイト  [メチルジメトン]
A型は、黄褐色油状の液で、ニラのような不快臭をもつ。
B型は、黄色流動性の油で、不快臭をもつ。
浸透性殺虫剤(ダニ、アブラムシ等の駆除用) 浸透性の有機燐製剤の一種であり、中毒症状はパラチオン等と同様で、本剤は特に 皮膚からの吸収作用が強く、衣服に付着しただけで強い中毒症状を引き起こす。
ジメチル-(ジエチルアミド-1-クロルクロトニル)-ホスフェイト  [ホスファミドン]
無色、無臭の液体。水および有機溶媒に溶けやすい。中性または酸性で安定。アルカリ溶液中で加水分解。 毒性が強いから、現在製造許可された市販品はない 有機燐製剤の一種であり、中毒症状はパラチオン等と同様の毒性を有し、その強さも パラチオン同様に強いので注意する。
ジメチルパラニトロフェニルチオホスフェイト  [メチルパラチオン]
粉剤は灰白色で糠の腐ったような激しい気臭がある。(現在は使用禁止) 農作物の害虫防除、パラチオンに準じて散布 温血動物に対する毒性はかなり強く、マウスに対する中央致死量は、経口投与で21mg/kg。 中毒症状は頭痛、はきけ、麻痺、痙攣など。
水銀
常温で液状のただ1つの金属。硝酸に溶け塩酸に溶けない。油脂と研磨、攪拌すれば容易にコロイド状に分散し、 灰黒色のエマルジョンをつくる。ナトリウム、カリウム、金、銀その他多くの金属とアマルガムをつくるが、 鉄、コバルト、ニッケル等とはアマルガムをつくらない。 工業用として寒暖計、気圧計理化学機械、水銀ランプ、整流器、医薬品として水銀軟膏、 また歯科用アマルガム(充填剤)等に用いる 毒性は、ガス体として吸収されるか、細分された状態で皮膚に付着したときに、激しく現れる。 水銀化合物のなかで、水及び希塩酸に溶けるものは、一般に猛毒性で、水に溶けないもほど毒性が弱い。 急性は、まず胃が非常に痛み、嘔吐したのち、尿が極めて少なくなり、濁り出なくなる。よだれが出、口や歯茎が腫れる。 非常に疲労を感じ、脈が少なくなり、しまいに心臓が弱って死亡する。
セレン
灰色の金属光沢を有するペレットまたは黒色の粉末。水に不溶。硫酸、二硫化炭素に溶ける。 ガラスの脱色、釉薬、整流器 急性は、胃腸障害、神経過敏症、肺炎、肝腎機能の障害、低血圧、呼吸の衰弱など。 慢性は、息のニンニク臭、指、歯、毛髪等が赤くなる。
チオセミカルバジド
原体は白色粉末性結晶。水、アルコールに溶ける。 試薬、殺鼠剤 マウスにおける50%致死量は、体重1kg当たり経口投与で14.8mg。
テトラエチルピロホスフェイト [TEPP]
純品は無色の液体。一般に販売されているものは、暗褐色ないし黄褐色粘調性、 湿体の液体で、わずかに芳香臭がある。 野菜、果樹などの害虫の駆除には2,500〜3,300倍に希釈して散布(現在は使用禁止) 温血動物に対する毒性は強く、原液はもとより散布液を皮膚や眼につけたり、 長くその霧を浴びることは危険。中毒症状はコリンエステラーゼの障害に伴う症状を呈する。
ニコチン
たばこ葉中の主アルカノイドで、純ニコチンは無色、無色の油状液体であるが、空気中で速やかに褐変する。 純ニコチンは、刺激性の味があり、不快なたばこ臭は、分解生成物のためである。 水蒸気蒸留すれば、分解しないで留出する。水、アルコール、エーテル、石油等に容易に溶ける。 医薬、殺虫剤 猛烈な神経毒で、人体に対する経口致死量は、成人で0.06g。急性中毒では、 よだれ、吐き気、悪心、嘔吐があり、ついで脈拍緩徐不整となり、発汗、瞳孔縮小、人事不省、呼吸困難、痙攣をきたす。 慢性中毒では、咽頭、喉頭等のカタル、心臓障害、視力減弱、めまい、動脈硬化等をきたし、ときとして 精神異常をを引き起こすことがある。
ニッケルカルボニル [テトラカルボニルニッケル]
無色揮発性液体。空気中で酸化され、酸化力の強い濃硝酸や塩素と作用して、ニッケル塩と それぞれ二酸化炭素、ホスゲンを生ずる。60℃に熱したり、濃硫酸に触れると爆発する。 ガソリンのアンチノック剤 蒸気の吸引は肺の刺激、うっ血の原因になる。
砒素
種々の形で存在するが、結晶のものが最も安定で、灰色、金属光沢を有し、もろく、粉砕できる。乾燥した空気中、 常温では安定、400℃に加熱すると燃えて三酸化二砒素を生ずる。 砒素と塩素酸カリウムとの混合物は、衝撃により爆発する。 鉛との混合物は球形となりやすい性質があるため、散弾の製造に用い、また冶金、化学工業用として使用。 少量は花火の製造にも用いられる 水にほとんど溶解せず、皮膚、粘膜になんらの変化をきたさない。内服しても吸収されにくく、全部排尿される。
(急性中毒)1,麻痺型で、意識喪失、昏睡、呼吸血管運動中枢の急性麻痺。
2,胃腸型で、咽頭、食堂等に熱灼の感をおこし、腹痛、嘔吐、口渇などがある。
(慢性中毒)はじめ食欲不振、吐き気などがあり、ついで皮膚、粘膜の乾燥、または炎症、特異な皮膚の異変をおこす。
弗化水素 [無水弗化水素酸]
不燃性の無色液化ガスで、激しい刺激性がある。ガスは空気より重く、空気中の水や湿気と作用して 白煙えお生じ、強い腐食性を示す。水にきわめて溶けやすい。 水に溶かして弗化水素酸とし、また弗化カルシウムに硫酸を作用させて生ずるこのガスをガラスの腐食に用いる 弗化水素酸が皮膚に触れると、激しい痛みを感じて、著しく腐食される。1〜2%の低濃度であっても皮膚に 付着すると、その場で異常がなくても数時間後に痛み出す。
ヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエンドジメタノナフタリン  [エンドリン]
白色の結晶。水に不溶、芳香族炭化水素に溶ける。(現在、市販されていない) 殺虫剤、乳剤を300〜1,000倍に希釈して散布 有機塩素製剤。 中枢神経毒だけあって症状は食欲不振、嘔吐、強直性の激しい痙攣がおこり、昏睡を起こして死亡する。
ヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエンドジメタノナフタリン  [エンドスルファン、ベンゾエピン]
純品は白色の結晶、工業品は黒褐色の固体。水に不溶、有機溶媒に可溶。アルカリで分解する。 アブラムシ類などの駆除 他の有機塩素製剤と同様に、激しい中毒症状を呈する。症状は震顫、間代性および強直性痙攣を呈して死亡する。
モノフルオール酢酸
重い白色の粉末で、吸湿性があり、からい味と酢酸の臭いとを有する。冷水にはきわめて溶けるが、 有機溶媒には溶けない。水、エタノールに可溶。 野鼠の駆除 哺乳動物並びに人間に甚だしい毒作用を呈するが、皮膚から吸収されることはない。 おもな中毒症状は、激しい嘔吐が繰り返され、胃の疼痛を訴え、しだいに意識が混濁し、てんかん性痙攣、脈拍の遅れ、チアノーゼ、 血圧降下をきたす。死因は心臓障害による。
モノフルオール酢酸アミド
白色の針状結晶。無味、無臭。水、アルコールに可溶。エーテルに溶けやすい。 かんきつ類の害虫防除 モノフルオール酢酸塩と同様に、動作緩慢、歩行不能、痙攣等をともなう。
三硫化燐 [三硫化四燐]
白色の針状結晶。無味、無臭。水、アルコールに可溶。エーテルに溶けやすい。 硫化燐マッチの製造、有機化合物の製造及び実験 少量ならば、共栓ガラスビンを用い、多量ならばブリキ缶を使用する。引火性、自発発火性、爆発性物質を遠ざけて、 通気のよい冷所におく。
五硫化ニ燐 [五硫化燐、十硫化四燐]
淡黄色の結晶性粉末で硫化水素臭があり、吸湿性がある。空気中では260〜290℃で発火、燃焼し、二酸化硫黄、 五酸化燐等を含む刺激臭のある煙霧が発生する。エタノールに溶け、二硫化炭素にやや溶ける。水、酸で分解して硫化水素と燐酸になる。 選鉱剤、医薬品原料、潤滑油添加剤 火災、爆発の危険性があり、わずかの加熱で発火し、発生した硫化水素で発火することがあるので、 換気良好な冷暗所に貯蔵。